ADR(American Depositary Receipt)について

ADRについて

日本国内証券会社からADR(米国預託証券)に投資することができます。私も中国の企業のADRを購入しています。ADRについて調べたものをまとめます。

ADR(American Depositary Receipt)とは

Wikipediaより抜粋。

米国預託証券(べいこくよたくしょうけん、American Depositary Receipt, ADR)は、米国の金融市場において非米国会社の株式の円滑な売買取引等を目的とした預託証券。(以下、「ADR」)

非米国会社が、米国において株式により投資家から資金を集めようとする場合、母国との物理的な制約から株券の受け渡しに手間がかかる上、配当金が企業の母国通貨建て(例えば日本企業であれば円建て)で支払われることから、米国投資家に取引上・為替上のリスクや不便が生じていた。ADRは、これらの不都合を解消し米国株式と同様、米ドルでの売買・決済、および配当金の受領を可能にした。併せて証券の保管も米国内で行われる。

いずれのADRも米国の預託銀行によって、1株または複数株を1つの投資単位として発行される。ADRの保有者は、当該外国株式が有する株主としての権利を取得するが、一般的に米国投資家はADRを保有できること自体に利便性を感じている。ADRの価格は、預託銀行により設定された投資単位に、当該外国株式の母国市場における価格に追随した額を乗じることで形成され、原則として本国の株式と連動するが、需給バランスによっては価格が乖離する現象も発生する。英国会社については、ADRに1.5%の印紙税が英国政府により課されている。

預託銀行は、ADR保有者およびADR非米国会社に対し様々な責務を負う。初のADRは、1927年、JPモルガンによって英国の百貨店チェーンSelfridges&Coのために発行された。現在、JPモルガン、シティバンクドイツ銀行およびバンク・オブ・ニューヨーク・メロンの四大商業銀行が、預託銀行業務を行っている。

なお、ADRによって表象される外国会社株式のうち、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場しているものは、特に、米国預託株式(American Depositary Share, ADS)とも呼ばれる。

米国預託証券 – Wikipedia

  1. ADRは株式そのものでは無い。株式の預かり証と考えることができる。
  2. ADRを現地企業が米国市場に上場する際に集める資金は米国ドル建てになる。
  3. ADRの配当は米国ドル建てになる。これは現地株式の配当(ex. RMB建て)が米国の預託銀行に支払われる -> 米国の預託銀行がADRの保有者に米国ドルで配当を支払うため。
  4. 必ずしも1ADR = 株式1単位では無い1ADR = 株式2単位(ex. JD.com)やそれ以外のものもある。

ADRの仕組みはどのようなものか

ADRの仕組みについては下記の楽天証券の説明がわかりやすいです。

楽天証券 – 米国預託証券の仕組み

  1. 米国の預託銀行が、現地(ex. インドや中国)で現地会社の株式を買取り、株式の預かり証(Depositary Receipt)を米国の預託銀行で保管。
  2. 株式の預かり証(Depositary Receipt)を上場審査にかける。株式の預かり証(Depositary Receipt)は現地の株式の裏付けがあるため、現地の株式が保有する経済的価値及び経済的権利と同等の価値及び権利を保有することになる。
  3. 預かり証(Depositary Receipt)が米国の証券市場に上場する。
  4. 米国外の投資家で米国の証券市場にアクセスがあれば預かり証(Depositary Receipt)を米国の株式と同様に取引することができるようになる。

ADR上場廃止について

ADRは上場廃止になることがありえます。

ADR上場廃止の事例

政治的理由

Trump considers delisting Chinese firms from U.S. markets: sources

Stocks fall as US considers limiting China investment

20190928にはトランプ政権が、アメリカの中国に対する投資を制限する手段の一つとして米国市場に上場している中国企業の上場廃止を検討しているとの報道がされました。これにはADRも当然含まれると思われます。米国上場の中国株/ADRは大きく値を下げました。

JD.comは−1.76 (−5.95%)の下落となりました。

米国上場に関わるコストのため
中国企業の例

中国最大のチップメーカーがニューヨーク証券取引所上場廃止へ

20190524にはSMICがNYSEからの上場廃止を発表しました。

Semiconductor Manufacturing International Corp(SMIC、中芯国際集成電路製造)は米国時間5月24日に発表した文書の中で、米国での15年間にわたる上場を廃止する計画を明らかにした。上場廃止するための書類フォーム25を6月3日に提出し、その約10日後にNYSEを去ることが予想される。中国政府と国有株主に支援されているSMICの上場は今後、香港のみになるが、米国預託証券(ADR)保有者のための取引は残される。

発表文でSMICは上場廃止の理由として、取引量が限定的であること、それから上場やコンプライアンス遵守に伴う、かなりの負荷とコストを挙げている。これは米国と中国の冷え切った関係に伴うもの、とは言っておらず、同社は理論的な根拠を述べている。

「SMICは上場廃止を長い間検討してきていて、貿易戦争やファーウェイの件とは関係がない。上場廃止は長期にわたる準備を要し、誤解を招くかもしれないが、たまたま現在展開されている貿易戦争とタイミングが重なった」とSMICの広報はCNBCに対し述べた。

それでも、現在の流れを無視することはできない。ファーウェイの米国のブラックリスト入りは、ARMやQualcomm(クアルコム)、Intel(インテル)、そしてファーウェイのスマホ向けにAndroid OSを提供しているGoogleを含む主要サプライヤーとの取引を停止させた。なので、故意であろうとなかろうと、SMICの米国との経済的なつながりを断つという決定は、米国と中国に二股をかけることを回避するものだ。

SMICの香港証取での株価は金曜日、4%下落した。米国預託証券の取引は金曜日100万を超え、これは1日あたり15万という90日間平均を大幅に上回る。

25日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で反落、中国旺旺2.6%下落(タイトルが25日土曜日となっているが27日月曜日が正しいと思われます。)

他の個別株動向では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が10.1%高と急伸。同社は24日引け後、米ニューヨーク証券取引所に米国預託証券(ADR)の上場廃止を申請する方針を明らかにした。上場維持コストの削減が意識されている。

 

SEMICONDUCTOR MANUFACTURING INTERNATIONAL CORP. US OTC

SMIC HKEX

日本企業の例

20190207にインターネットイニシアティブ株式会社がADRの上場廃止を発表しました。

ADRの取引量の現象及び、海外投資家の日本市場での取引の増加が理由とされています。確かに日本国内での取引で十分に取引量が確保できるのであれば、アメリカと日本に二重で上場する必要がありません。

IIJ、米預託証券の上場廃止 4月、NASDAQに申請

IIJ(3774) NASDAQ証券取引市場における米国預託証券の上場廃止申請及び米国証券取引委員会への登録廃止申請に関するお知らせ

ADRのNASDAQ上場廃止に関するQ&A 

株式・株主還元について

株価の推移。ADR上場廃止から一週間後くらいに大きく下落しています。

まとめ

今回はADRとは何か、及びADR廃止の例について調べました。ADRが上場廃止になった際にどのような対応があるかを別に調べてみたいと思います。

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